野生動物と人 その地域でどうしたら調和して共生できるか
私が住んでいる徳島県、とある山村は、辺り一面、杉や檜の人工林が広がっています。
ここへ初めて訪れる友人は車で来る途中、深すぎる自然に不安になるようです。笑
集落の先は数十キロに渡って杉林が続き、また、これより上には誰も住んでいないので、生活排水も流れ込まない川はとても綺麗で、夏場は農作業の合間に涼みに入ったりします。
私は約3反、畑10枚の畑をお借りする事ができ、じゃがいも、葉野菜、実野菜やハーブ、果樹などを育てています。
このような自然環境で、簡易的な道具で畑作業をしていると、自分自身が自然の一部でありたいと思うようになりました。この地域の自然の循環に逆らわず生きたい。
循環の一部であるには。
自然の循環のスタートをどこに位置づけるかは人それぞれだと思いますが、自分がその循環に入った瞬間、入りたいと願った瞬間をとりあえずのスタートとして考えてみます。
人間が動けば動く程砂漠化を、自然が動けば動く程と緑化が起こります。破壊と再構築ですね。
循環とはつまり、破壊と再構築の繰り返しなんですね。破壊を繰り返しながら、破壊から学び、感じ、そして、再構築をする事で、より良い世界になっていっている。
破壊と再構築の循環に、調和と発展があれば、良い方向に行くと考えています。まさに微生物の世界がそうであるように。
人間は所有の概念をもっています。「これは俺のもの」、「ここは俺の土地」、「これは俺の専売技術」などです。
私の場合だと、私の土地で育てている野菜は私の物で、誰にも無許可で取ってもらいたくないのです。人であれ、動物であれ。
自然栽培の世界では、栽培している植物に虫が付くのには理由があると考えるんですね。何かのバランスが崩れているのではないかと考えるんです。何かのバランスが崩れたから、正しい循環に戻ろうとする力ですね。こういった考えで農をやっていると、獣はどうなんだろうと自然に思って来た訳です。
鹿柵やウルフピーなどの「対策」のように獣を敵と見なし、侵入をどうにかして防ぐのは根本的な解決では無いと思い、私は今の所、対策と呼べるような事はしていません。気にしているのは、「どうしたら共生できる」か。
もともと、自然のシステムには無いはずの、経済活動ありきで農をしていて、畑や作物を所有していると想い、活動している。
という事は収穫物で経済活動をせずに、ただただ私の大好きな農をしたら、良いのではないか?
ここに答えがあるような気がしています。
鹿が村に降りて来る理由は沢山あります。そして私だけの力ではその環境を変えることはできません。でも、共生を心に想い、共生を判断の基準にしていれば、いつか道は開けるかもしれません。
穀雨周辺で蒔くべき3種類の野菜の種 〜 three sisters
2018年4月20日は何の日かご存知でしょうか。
この頃から春雨が安定して降り、穀物の生長を安定させると言われているんですね。
タイトルにある、この時期に蒔くべき野菜の種はズバリ!
トウモロコシ、インゲン、カボチャ、
まとめて「three sisters」と呼ばれています。
有機種子 インゲン 種 つるありインゲン (ジャンボ 丸さや 緑) 【 ネコポス可 】
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在来種/固定種/野菜の種「黄もちもろこし」50ml約100粒/畑懐〔はふう〕
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有機種子 かぼちゃ 種 (黒皮栗) 【 ネコポス可 】
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これらの3つの野菜、別々の畝に蒔くのではなく、何と、一カ所に3種類の種を蒔くのです。ちょっと信じられませんよね。この方法はネイティブアメリカンが伝統的に行っていた栽培方法なんです。とても効率的で、自然と調和した、知れば知る程、素晴らしい方法なんです。
では、まず、栽培方法を見ていきましょう。
①播種時期
徳島県の山奥在住の私は、4月上旬から5月初旬に播種します。
出来れば、雨の日の前日、出来れば夕方が良いと思います。地域によっては7月上旬までは蒔けるかもしれません。
②管理方法
順調に発芽すると、管理の必要はありません。
まず、トウモロコシが一番早く生長し、その後に、インゲンがトウモロコシの茎を支えに生長していきます。かぼちゃは地面を這うように蔓を伸ばし、大きな葉を広げて、生長します。これらの野菜はそれぞれ生長に必要な環境は違いますが、一緒に栽培すると、お互いがお互いの生長を助けるコンパニオンプランツなのです。
生長のタイミングが会わないと、雑草などが先に育ち、育てたい作物の光合成を妨げてしまうかもしれないので、適宜、雑草の生長を抑えるために、鎌などで、管理し、育てたい野菜に光が行き届くようにしましょう。でも、雑草を全て抜いてしまう事はありませんよ。雑草にも大事な役割があるのです。
スリーシスターズのすごいところ。
1.コンパニオンプランツ同士
一カ所に蒔くのはトウモロコシ、インゲン、かぼちゃ。まず、トウモロコシが一番早く生長します。トウモロコシが生長すると、太陽の光をもとめて生長するインゲンの支柱となります。かぼちゃはトウモロコシと、インゲンによってつくられた、適度な湿度の日陰で地を這うように大きな葉を広げて生長し、雑草が生えすぎ、光合成をするのに、光が足りなくなるのを抑制します。
2.生長に必要な養分を補い合う
トウモロコシは丈夫な茎を作るのに、窒素分を多く必要とします。トウモロコシが土壌から窒素分を吸収しすぎると、土壌は痩せてしまいそうですよね。そこで、インゲンの登場です。インゲンは豆科。根の部分には根粒があり、そこには植物の生長に欠かすことのできない、窒素化合物を生成する微生物が住んでいるのです。それにより、空気中の窒素分を土壌に留める役割である「窒素固定」という作用によって、トウモロコシやかぼちゃに必要な窒素分を土壌に蓄積し、お互い上手く生長する事が出来るのですね。また、自然な循環で土壌の微生物が活性するので、土壌の極端な栄養過多や栄養失調が起こりにくいのですね。これら一カ所で違う種類の野菜を育てる事により、土壌のバランスを整え、連作障害も起きづらくなるのです。
3.一緒に食べても最高の組み合わせ
そうなんです。ネイティブアメリカンはサッコタシュと呼ばれる豆の煮た料理を作るようです。
もし、私たちがやるなら、①トウモロコシとインゲンを茹でて、②ハーブなどでソテーし、③かぼちゃは乱切り、香ばしくきつね色になるまで素揚げ。④葉物やトマトとオイルで混ぜ合わせて食べるサラダなんかどうでしょうか。
いかがでしたか?こんなに素敵なthree sistersは畑の面積もそれほど必要ありません。2m×2mあれば十分なスペースだとおもいます。
また、大規模にも栽培できるそうですよ。モノアグリカルチャーになりがちな畑ですが、それにこだわりがないのであれば、こんな栽培方法もありですよ!
閲覧ありがとうございました。
自然農スタイルへの移行
さかのぼる事4ヶ月。2017年11月に寒お越しをしました。
寒お越しの狙いは2つ。
①土の状態のリセット
②根切り虫や夜盗虫対策
冬の寒さを利用して、裸の畑を寒さにさらし、環境を一度リセットすることで、次の年の畑作が良くなるとの考えです。
私の場合は長く使われていなかった畑をお借りしたので、自分の自然栽培をやってきた経験から、畑を一度耕耘することで、ある程度何か起こるか予想できる状態にしたいというのが本音でした。
だがしかし!
畑を耕してから数週間後、地元の先輩から自然農の考え方や実践を見せてもらってしまったのです。「なんか草ぼーぼーのあれでしょー?」って考えてたやつです。
今まで、いわゆる雑草達は敵では無いとは思っていたのですが、畑は毎回耕すものという固定観念から耕していました。カラスノエンドウも見つけたらちぎるし、スギナが生えていれば、「耕して、耕してカルシウムさんを分散やー!」って感じで。
大豆や小豆などもそうでした。豆類の根粒菌(有用性微生物群)と共生する植物でも、「耕したら菌が分散して良いベー!」と鼻をほじりながら考えて、後作の小麦を播く前に、全耕耘です。でも、どこかで矛盾を抱えていたんですよね。
「多様性ってなんだったっけ?毎回耕耘して、多様性ってできるのかな??」
そんな中、耕さない畑で頂いた野菜の生命力(大食いの私でも、少し食べただけで、心も身体も大満足)を実際に体験して、私の中の何かが点火したのです。
「耕さない畑を作る!」
そう決意してから、まず、三角スコップをコーナンで購入しました。
耕さないという事は、何度も使える畝を作る事。
毎日畑を眺め、触り、畑の特徴を掴みます。
3月11日現在の畑の様子がこちら
竹を伐採したときに取り分けた竹の枝を上に敷きました
狙い① ゆっくり腐植して微生物のすみかになってもらう、
狙い② 土の表面が少しでも裸にならないようにするため。葉のついている竹の枝は枯れ草を蒔いた場合より、風でも飛びづらいし、葉の面積が狭いため、今の所大正解だったと思っています。水分の保持、鹿や鳥などの目を誤摩化すことも!。
まだまだ、途中ですが、色んな畝を作ります。
あの常に湿ってる所はあれをして、この日照時間が少ない所はあれをして、、、、そんなことを毎日考えて。
ワクワクする畑をめざし、頑張ります!
でも、3反をスコップと鍬で。。。やったるでー!
中山間地域での鹿対策について
いやー、こんばんわ。
あいかわらず、思考の80%が「農」のあたしです。
最近の作業はあらかた畝立てです。(スコップで)
畑作業をしていると、ふと気付いたら、色んな事を考えてるんですね。
畑のアイディアだったり、自然の事、普段の生活の事、哲学的な真理、不安な事、楽しい事、so on so on って感じで。
今自分史上最大にホットな話題、鹿や、いのししの獣害対策を考えてみました。
今の山奥の生活。簡単な環境を説明すると、国道から20km離れた山奥の山村の一番上の山の斜面の畑というコンディションです。鹿さんは夜、外に出るといたり、いなかったりの、まぁ、俺らが寝たら、好き放題やってるんだろうなっ!という感じです。
でも、鹿さんは森に住み、森の中でエサを探していると思うんです。わざわざ危険を冒して、人間のいる山村に出てきてるという事は、エサがないんですよね。我々のご先祖様が後世の子ども(100年後の)の事を思って植え、次の世代が間伐や、枝打ちなどの管理をして、でも、伐採せず売らずに、その子どもの世代の為に、大事に残しておいた、大事な杉や檜が生えてびっしり、隙間なく、どこまでも生えているから。
そんな中、私がそんな場所に引っ越してきた訳ですよ。そして俺はどちらの人間というと、自然派を通り越して、野生派。自分の利益の為だけに動きたくない訳です。自然な循環の中で生きていたい。
でも、栽培している野菜は(今はまだ発芽したばっかりですが)食われるリスクはある。でもネットや柵をするのは、第一に景観が悪くなる。そして、ここは全部俺の土地で俺の所有物なんだ!っと宣言するような、力の世界を象徴するような事だと思うんです。そんな状況なんで、ネットをするくらいなら食われても良いとも思ってたり。
僕の持論なんですが、今の農業は、いかに生産量を上げるかという事が目的だと思うんです。そのために、刈り払い機で草を刈って、耕耘機で土を耕して、品種改良された種や苗を植えて、化学肥料や有機肥料を使って、ビニールマルチで草を抑えて、農薬で病気を予防して、収穫して、それを売れる需要のある遠く離れた所で売る。そんな循環になると思うんです。でも、それって、無駄なエネルギー使い過ぎじゃないですかね。自分のエネルギーも、環境のエネルギーも。
農にはこんな可能性もあるとおもうんです。
畝を立てて、種を植えて、そこに生えている草や虫、微生物の力を借りて育てて、収穫して、それを主に自分やご近所さんで食べて、それ以外を近くの直売所で売る。中には自然の糧となるのもあるでしょう。
僕がやろうとしているのはそんな感じのイメージです。森で生きているもの全員が自然の恩恵を享受できる環境。誰かが搾取をしないで、分かち合う経済。
甘いと言われるかもしれませんが、本音なのです。
そんな感じで、とりあえず、現金収入の為に8時間外でアルバイトして、帰ってきてからヘッドライトを付けて畝立てを5時間してたものの戯れ言でした。
またね。
ジャガイモの定植
今日3月11日はじゃがいも(インカのめざめ)を植えました。
今回は逆さ植えにしてみました。
じゃがいもは長い冬の後、最初に植え付ける野菜の定番ですよね。栽培も比較的、簡単で少しの管理で元気に沢山できてくれます。
それでは、私が今回やった事!
1.種芋の購入
ジャガイモは種いもを利用します。今回は種芋を持っていなかったので、こちらで購入しました。担当の方も丁寧、気さくで、気持ち良く購入できました。なにより、固定種や在来種、伝統野菜に力を入れているというのが、私としても応援したくなりますよね。
2.催芽
保存状況にもよりますが、じゃがいもをそのまま植えても、発芽率があまりよくありません。そのため、日光のあたる場所に設置し、じゃがいもを目覚めさせます。
3.切り分け
植え付ける数日前にじゃがいもを切り分けます。丸ごと植えたら、芽が沢山でて、じゃがいもの玉が小さくなったりしてしまうためです。なにより、切り分けた方が、沢山そだてられて、うれしい!
4.乾かす
表面が濡れているまま植えてしまうと、腐り易いので、切り口を上にして表面が少し乾いて固くなるまで、乾かします。
5.植え付け
じゃがいもを植え付けます。
植え付ける時のポイントはどのような管理をして育てるかを事前に考えておく事です。
私の場合はビニールマルチは使用しないので、溝を掘り、種芋の上に10cm程土がかぶるように植え付けました。
今後は芽掻き▷土寄せ▷放置という予定
そして今回は逆さ植えで植えました。ジャガイモは表面のでこぼこした所から芽がでますよね。その面をあえて下向きに植える事で、芽が地上に出て行く際に少しだけ負荷がかかるようにするのです。負荷を耐えて発芽したものは生命力があって良いだろうとの考えからで、また、弱い芽は生えて来ないので、芽掻きの作業も少なくなります。
以上がジャガイモの定植でした。
どうでしたか。じゃがいもはとっても簡単に栽培できるので、初めての方にもおすすめです。
野菜栽培のコツは何のためにその作業をするかという事を分かっていると、栽培する環境によって、必要、不必要な作業が見えてきます。
みなさんのじゃがいも栽培が上手くいきますよーに!
【自己紹介】始めました。たかやのブログ
初めまして。たかやです。このブログをご覧下さりありがとうございます。
(アメリカ皆既日蝕の旅で立ち寄ったとあるトレイルウォッシュにて)
このブログのテーマは農的暮らしの実践です。
徳島県の山奥に移住した私が暮らしの中の出来事などを綴って行きたいと思います。
何をしている人? who are you?
と、言われたら困るのです。なぜなら、何でもやりたいから!
好きな事は無農薬、無施肥で野菜を作る事。野菜の栽培等もブログにアップしていけたらと、思います。野菜を作るって結構オールマイティーな能力が必要なんです。百の姓と言われる位ですものね。
どこにいる人? where are you?
徳島県のとある山奥の集落に住んでいます。川は綺麗で、夏は泳いだりしてます。
今後ともよろしくお願いします!
あ、あと、、、
なんでもないです。次のブログで。